のれんのサイズやデザインは用途や目的で考える
色々な種類のあるのれんは、用途に合わせて選ぶことが大切です。
一般的なお店などにもかけられているものは、長さが110cm超になっていて
のれんの制作会社にオーダーすると1cm単位で変えてもらうことができます。
ベースとなる布の色や柄なども自由に選ぶことができますので、専門店に依頼することが多いようです。
長のれんになると、通常よりもずい分長くなって160cmありますので
目隠しの用途でよく用いられています。
日よけとして使われることも多く、店先にかけると良い目隠しになります。
日よけのれんというものもあり、用途はもちろん日差しがあたらないようにすることです。
大きな一枚布で割れ目がなく、軒先から斜めにかけて地面に固定します。
日よけ以外では、お店の名前を記して看板にすることもありますし、
最近ではメニュー表に使うこともあるようです。
子供の書いた絵をのれんにすることができません。
一般的なものの半分の大きさの場合には60cm弱になっていて、通常丈よりも
短くなっているために、お店の中をすぐ見渡せるようになっています。
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のれんは結界の代わり?
閉鎖された空間では常連さんでもない限りはなかなか入りにくいものですが、
中を見せることで入りやすい雰囲気にすることが可能です。
また、陳列されている商品を見せることで興味を持ってもらえるという利点もあります。
水引きのれんもあり、丈は40cm程度ですのでかなり短いタイプです。
軒先いっぱいにかけて仕切りとして用いられていることが多く、
時間でかけたり下ろしたりせずにかけっ放しにしているのが一般的です。
このように様々な種類があって用途ごとに使い分けることができますので、
どのような目的で使用するのかを考えた上でオーダーしましょう。
ラインナップの充実しているお店に注文すれば、色や大きさだけでなく
素材にまでこだわることができ、自分だけののれんを手に入れることもできます。
入れる文字の大きさや色についても自由に選ぶことができ、
割れ巾は奇数が縁起が良いとされています。
のれん分けとフランチャイズの違いは何?受け継ぐ際の流れ
「のれん分け」と「フランチャイズ」は、ともに独立を支援する制度です。
しかし、「のれん分け」は、伝統と卓越した技術の継承を必要とする江戸時代から続く独立支援制度であり、商標や運営マニュアルを金銭契約で取得する「フランチャイズ」とは全く異なる独立支援制度です。
「のれん分け」と「フランチャイズ」は、独立後も同じ屋号や商標などを共用の広告媒体として運営していくことから混同されやすい独立支援制度ですが、「のれん分け」と「フランチャイズ」には大きな違いがあります。
のれん分けは、江戸時代には存在した独立支援制度であり、アメリカ企業によって1956年に初めて日本国内に導入されたフランチャイズとは歴史の長さが大きく異なります。
のれん分けは、本家や本店長年にわたって働いた功労者に対して行われる独立支援制度であり、元々は本家や本店の収益とは一切関係なく独立を無償で支援する制度です。
フランチャイズは、直営店や本社などで数カ月〜数年正社員として就業する必要がある企業も存在しますが、一般的には企業の基準をクリアした希望者が「加盟金」や「保証金」などの金銭を支払うことで成立する独立支援制度です。
そのため、のれん分けが独立後に本家や本店に支払う費用を一切必要とせずに純粋に独立を支援する制度であることに対して、フランチャイズは独立後もロイヤリティや仕入れ先の制限など本社へ支払う費用が必要とされています。
特にロイヤリティは、シンプルでわかりやすい定額方式だけでなく売上歩合方式や粗利分配方式があり、売上歩合方式や粗利分配方式は数%〜70%程度と契約に規定されているので売上が増える程本社に支払う費用も増えてしまいます。
フランチャイズは、加盟金やロイヤリティなど契約要項が明確に設定されているだけでなく開業後の運営方法が完全にマニュアル化されており、マニュアルに従って運営すれば誰でも簡単に独立することが可能です。
フランチャイズは、マニュアルに従えば誰でも店舗運営が可能なのでオーナーが本業とする必要がなく、運営戦略のアドバイスも受けることができるので副業として運営することも比較的簡単にできるフランチャイズ企業もあります。
しかし、のれん分けは本家や本店の屋号や商標を単純に受け継ぐだけでなく、長年にわたって働くことで習得した技術や仕入れ先との関係に加えて本家の格式や伝統も同時に受け継ぐとされています。のれん分けは、フランチャイズとは異なり限られた人間にだけ許される独立支援制度なので独立するだけで希少価値があり、本家や本店の格式と伝統を受け継いでいるので同業他店舗と明確な差別化を独立当初から図ることができるので開業時のリスクが非常に少なく継続的に安定した運営が可能です。
のれんの色は業種で違う?知って楽しいのれんの豆知識
のれんは昔から、業種によってある程度色が決められていました。
それが現代にも残っているところもあります。
商家では堅実な商法を旨にしているため藍や濃紺が使われていました。
菓子屋や薬屋では白ののれんが主流でしたが、それは菓子屋の砂糖のイメージが強いからだと言われています。
のれんは布の看板といわれているものですが、日本以外の国々では決して見ることのない、日本固有のものと言えるでしょう。
平安時代にはすでにのれんは使われていたといわれていますが、その当初の目的としては、火よけや風よけなどを目的に、開放部分にかけられていたものです。
当時のデザインは白の無地や色の無地が主流となっていましたが、鎌倉時代になるとそこには様々なメッセージが入るようになったのです。
その前まではのれんは色により業種などをあらわしていることがあり、それが現在でも色濃く残っている地域も見られます。
現在ではのれん制作も、染料や生地、染色技術や設備などにおいて、格段に進歩を遂げています。
以前までは技術もあまりなく、生地や染料なども限られていたので、一番簡単な麻の染めものがほとんどでした。
その後技術が発展するとともに、染めやすい木綿の生地が使われるようになると、ここから様々な色に染められたのれんが使われるようになったのです。
実はのれんの色使いは、以前まではある程度業種によって約束事が定められていました。
商家は手堅さを重んじることから紺色や藍色、薬屋や菓子屋などは白色などが一つの例に挙げられます。
近年ののれんは紫色をしているものも多く見られますが、その当時は紫色は高貴な人だけが使うことを許された色なので、庶民は使うことができませんでした。
しかし江戸時代になると、金融機関から借金した人は、返済が終わるまでは紫ののれんを掲げなければならないという決めごとがあったともいわれています。
色ごとに定められていた業種としては、堅実な商法を旨としている商家です。
藍染めによる藍や紺色を多く使っていた特徴があります。一度だけ染めることで出来上がる薄い藍色から、何度も染め重ねなければならない濃紺まで種類は多岐にわたります。
また藍の香りというものは、実は虫が嫌がって寄り付かないことから、その特性を利用して酒造業や呉服屋などでは虫除けを目的に、藍を使用したともいわれています。
次に柿色と呼ばれる赤茶色ののれんですが、これはかちん染めと呼ばれる技術から生まれるものです。
これらは高級料亭だけに許された色でしたが、だんだんとその伝統も崩れ、やがては大きな料亭などにも使われるようになりました。
菓子屋や食べ物屋、薬屋に多く使われていたのが白です。菓子屋が白を多く使ったのは、砂糖のイメージが強かったからと言えるでしょう。
そのほかにも煙草商では黄土色が使われていました。